第104回日本陸上競技選手権大会・長距離種目 5000m編
遠藤日向選手(住友電工)、大迫傑選手(NIKE)も5000mを欠場ということで優勝争いがますます熾烈になりそうな日本選手権5000mですが、個人的に応援したい注目選手について少し書きました。
注目選手①石田 洸介選手(東京農大二)
ついに中学記録、高校記録保持者の石田洸介選手(東京農大二)が日本選手権に参戦!
7月に13分36秒89、9月に13分34秒74と立て続けに5000mで高校記録を更新。10月31日には群馬県で開催された県高校駅伝(トラック開催)の1区で10000mを独走で28分37秒50のタイムで走るなどもはや高校生徒は思えない実力です。
大学、実業団のトップクラスの選手たちとどこまで戦えるのか非常に楽しみです。
後期は日本選手権と全国高校駅伝にピーキングを合わせてきていると思うので、さらなる高校記録更新も期待されます。
以下、石田選手の持つ主な記録
中学
1500m 3分49秒72 中学歴代1位
3000m 8分17秒84 中学歴代1位
5000m 14分32秒44 中学歴代1位
高校
5000m 13分34秒74 高校歴代1位
10000m 28分37秒50 高校歴代7位
注目選手② 吉居 大和選手(中央大学)
大学1年生ですが、すでに学生長距離界のエースといってもいいぐらい実力を兼ね備えています。7月に13分28秒31のU20の日本記録を更新すると箱根駅伝予選会でハーフマラソン1時間01分47秒のU20日本歴代2位の記録で走り、長い距離でも走れることを証明。さらに11月に開催された日体大記録会10000mで28分08秒61のU20歴代3位の記録を出すなど、今、もっとも勢いに乗っている選手と言えるでしょう。
また、ラストスパートも切れ味鋭く、日本インカレでも優勝を飾っています。最後に勝てる武器を持っているのも吉居選手の大きな魅力でしょう。
日本選手権ではレース展開次第では優勝も視野に入ってくると思います。
以下、吉居選手の持つ主な記録
高校
10000m 28分35秒65 高校歴代5位
大学
5000m 13分28秒31 U20日本歴代1位
10000m 28分08秒61 U20日本歴代3位
ハーフマラソン 1時間01分47秒 U20歴代2位
注目選手③ 上野 裕一郎選手(セントポール)
まさか上野選手がこの舞台に帰ってくるとは思いませんでした。佐久長聖高校→中央大学→エスビー食品→DeNAと常に鮮烈な走りを見せてくれていた上野選手が立教大学の指導者という立場として、そして選手として帰ってくるとは…
何か感慨深いものがあります。
35歳となり熟練された走りに期待したいです。
優勝争いは?
ジャスティン・ソゲット(HONDA)、ベナード・キメリ(富士通)を中心に田中秀幸選手(豊田自動車)、松枝博輝選手(富士通)、坂東悠汰選手(富士通)らがオリンピック標準記録を突破するペースでレースが推移すると予想。そこに学生であれば吉居選手(中大)、川瀬選手(皇学館)が挑むレースになりそう。
持ちタイムトップの遠藤日向選手(住友電工)が棄権しており、大迫選手(NIKE)も5000mを欠場して10000m1本に絞る模様なので、上記の選手全員に優勝の可能性があると思います。また、レース展開によりますが、ハイペースで潰れてしまう可能性もゼロではないので、そうなった場合、冷静にレースを進めて最後のラストスパートがある選手が優勝する可能性もあると思いますので、エントリー選手全員に可能性ありかなとも思います。
ただし、オリンピック出場を狙うには優勝と標準記録突破の2つが必要となりますので、狙う選手はガンガン攻める走りを見せてくれると思います。
以上、個人的に色々と書かせていただきました。今年は高校生、大学生ともにレベルが高く、実業団選手と遜色のない走りを見せてくれる選手が多いです。
それだけに今年の日本選手権は面白い!
特に標準記録突破と優勝の2つを手に入れなければいけないレースなのでかなりハイレベルになることが予想されます。